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テーマ 【保温肌着の乾燥トラブル】
ヒートテックなどの商品名で販売され、寒い季節の利用者が多い「保温肌着」が、冬季の皮膚トラブルの一因になっていることが分かってきました。皮脂欠乏の亢進や、背中や胸にニキビのような皮疹が出ることがあります。
保温肌着とは、皮膚表面から放出された湿気(水蒸気)を繊維が吸収し、水蒸気が水に変わるときに発生する凝縮熱によって表皮を温める下着のこと。この吸湿性の良さが皮脂欠乏性湿疹を悪化させます。
吸湿発熱による衣服内の上昇温度は0.5~2℃と商品によって幅がありますが、商品の多くに吸湿性の高いアクリレート系繊維が用いられ、アクリルやポリエステル、レーヨン、ポリウレタンといった化学繊維や、綿、絹などの天然繊維が織り込まれています。アクリレート系繊維の吸湿性能は綿の3.5倍ほどといわれています。
そもそも冬季は気温が低下し、空気が乾燥するため皮脂欠乏性湿疹は生じやすくなります。そこに保温肌着の着用が重なると、さらに皮膚の乾燥が促進されます。
女性では40歳代から更年期にかけて、男性では60~70歳代を超えると皮脂分泌に関わる男性ホルモンの量が減少してくるので皮脂欠乏が顕著になります。そのため、この年代で保温肌着によるトラブルが生じやすくなります。
どうしても保温肌着を着たいという方は「直に保温肌着を着るのではなく、綿素材の肌着の上に保温肌着を重ねるように」しましょう。過度な皮膚の乾燥を避けられる上、重ね着によってできる空気の層によって保温効果を実感しながら症状が改善しましょう